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部屋に戻ると、克也達はトランプをせずに猥談をして盛り上がっていた。 純情、清楚がタイプである自分は少しそういう話は苦手だけれど、輪に入ることにした。 ジュースを口にしていると、一人が思い出したように声を上げた。 「そういえばさー、萩原の奴欲求不満らしいぜ」 ぶふぁー 思わず口からジュースが噴射する。 「うわ、きたねーよ!」 「ごめん、克也」 ティッシュで畳をトントンと拭きながら、同級生の話を聞く。 「一年に聞いたんだけど、萩原の奴、遠い目をしながら『したいなぁ……』と呟いていたらしい」 「マジか。あんなにもてるのにな」 「彼女がさせてくれないんじゃね?」 話が進んでいく中、俺は気まずい思いでいっぱいになった。 「まあ、斎藤。おまえ、萩原と仲がいいだろ?女の面倒みてやれよ」 「は、はあ?」 アイツに女を紹介するなんて、冗談じゃない。 「萩原は恋人を大切にする奴だから、無理だ!」 .
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