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別に萩原に迫られたことはなかった。
だけど、告白された時に、アイツはこう言った。
「そんな不安な顔しないで下さいよ。何もとって食おうとしているわけじゃありませんし。今は」
……今は、っていうのはいつまでなんだ?
急に不安でいっぱいになる。
……俺に興味がなくなったわけじゃないよな。
いつもそばにいるし。
「圭太」
「なんだよっ」
克也が真面目な顔して、ガシッと肩を掴んできた。
「俺は本当に唯ちゃん命だからなあ~」
「だあ~っ、まだ言ってたのか!それなら、AV見るのやめろよっ、ばーかっ」
「AVは別次元の話だろ~ぐへっ、苦しい~~」
克也の首をキュウッと絞めながら、思った。
萩原もAV見るのか?
そんなことするなら、めっためたのぎったぎたにしてやるっ。
「さ、斎藤!これ以上やると飯島が死んじまう!」
「へっ?」
気が付くと、目の前には青ざめた克也の姿があった。
急いで手を離し、俺は珍しく克也に心底謝った。
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