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朝、まだまだ寝足りないが無理矢理叩き起こされ、飯を食いに行く。
頭はボサボサだが女の子がいないので、気にしない。
ふわあっと欠伸をしながら、席に着いた。
「おはようございます、先輩」
声の方を向くと、きちっと身だしなみが整っている萩原がお茶を注いでくれた。
急に自分のだらしなさが恥ずかしくなってきた。
「……はよ。おまえ、寝起きいいんだな」
「はい。毎朝、弁当作ってるんで早起きしちゃうんですよね。その分、夜は苦手ですけど」
クスッと笑いながら、俺のテーブルに座っている奴のお茶を注ぐとアイツは自分の席へと戻って行った。
……俺、明日はちゃんと起きようかな。
萩原、寝癖も全くついてねえし。
ぼうっとアイツの姿を見ていると、今度は米をついでいるのが見えた。
なんか、おかんだな。
人知れず笑っていると、克也が俺の顔を見て変な顔をしていた。
「圭太が朝から笑っているなんて、雪でも降るかもな」
「なんでてめえはそういうことしか言わねえんだよ!」
俺はポカッと克也を叩いた。
飯を食い終わり、部屋に戻る途中だった。
「克也兄ちゃん」
「知宏か。あ、そうか、飯は食うとこが違うのか」
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