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正直浪川とはクラスは離れると思っていた為内心とても残念だし、また朝からちょっかいをかけられると思うと色々面倒くさい。
というか、私はいつから浪川と仲良くなったのだろう。
別に小学校の頃は仲良くなかった…、以前に浪川の存在さえ知らなかった。
私が通っている伊高中学校は元々あった伊高小学校と、伊高小学校の東の少し向こうにある東伊高小学校、二つの別々の小学校の生徒が合わさっている。
私は伊高小学校出身で、浪川は東伊高小学校出身。
だからお互いが存在さえも知らなかった。
それなのに中学一年で同じクラスになって、何があって浪川と仲良くなったのだろうか…。
優「また同じかぁ…。」
私は軽い溜め息をついて、浪川を無視しつつ肘をつく。
そして目線をゆっくり右にやった。
するとその目線の先に。
酒「…あ。」
優「あ、れ…。」
一年生の時の委員会で同じだった…ような気がする、酒井がいた。
そう酒井は目立っていなかったから、病気なんじゃないかと言われる程忘れやすい私が、名前さえ覚えてるというのが奇跡だと言うのに。
…が、しかし。
私の仲の良い男子友達からは、
『暴言をよく吐いて、すぐ殴る。』
という噂をよく聞いていた。
そんな酒井は、確か後期委員会で同じだった。
それでも私は酒井と仲良くなかった為、喋ったか喋らなかったかも曖昧で、喋っても数えれる位の回数しか喋っていなかった。
優「へぇ、酒井も一緒なんか!」
私はそんな事を思いつつ、馴れ馴れしい言葉で酒井に話しかけた。
すると。
酒「…バーカ。」
…。
私は一瞬固まった。暴言をはかれるなんて思っていなかったからだ。
優「ば、バカはねーだろバカは!!」
ほぼ初対面の女子に、いきなりの暴言。
その時、流石噂通りの男子だな、と思った。
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