1人が本棚に入れています
本棚に追加
その少年は、ずっと、私の鞄や手、時には服を掴み、一向に離れようとしないのだ。
このまま長居すれば、ただの連れにしか見えない。
私は、その少年に気に入られたみたいだ。
弟がほしかった事もあって、悪い気はしない。
でも、よくわからない状況に戸惑いながら、デートのような、なんだかわからない空気に流されるままだった。
ふと、時計を見ると、お昼を少しまわった所だった。
「ねぇ、そろそろお昼にしない?私、朝食べないから、ちょっとお腹空いてきたんだけど。」
少年は少し考えてから、「うん」とうなづいた。
.
最初のコメントを投稿しよう!