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――セレクトン セレクトン駅 列車内
「はぁ~…困ったな…」
青く彩られた列車内にいる駅員は困っていた。
それはーー
「…ん…ぐぉ~…むにゃ…」
ーーこの少年が駅に着いても起きる気配を見せないからだ。
「ちょっと、お客さん?もう駅に着きましたよ」
「…ん~…あとちょっとだけ…」
男は自分のベットにいると勘違いしているらしく、寝ぼけて全く起きない。
「…本当に困ったな」
駅員はもう一度この男を外に出そうと試みるが…
「…やっぱり動かない」
男は背中に天井までつくかのような大きな荷物を背負っていて、その重さのせいで全く動かないのだった。
「あと十分でこの列車は出発なのに…」
万策尽きた…。そうおもった駅員だったがーー
「あの、すみません」
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