落ちこぼれクラスだって!?

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「え?」 駅員が振り向くと、列車の出入り口に茶髪の美しい女性が立っていた。 「あの…すみません。彼は、私の弟なんです」 「そうなんですか。すみません、彼を起こしてくれませんか?」 駅員がそういうと、彼女はニコニコした顔で彼に近づいた。 そして、どこから出したのか黒いフライパンを手に持って 「えいっ!!」 バギィィンと金属音が列車内に響く。フライパンは彼の頭にモロに直撃した。 「ほ~ら、起きなさい、カイン。駅員さんも困ってるでしょう?」 「え?ちょっとええええええええええ!?」 駅員はさすがのことに驚きを隠せない。 「ん…ふぁ~……あれ?ここは?」 「終点よ、カイン」 「ってあれ?カーリ姉?なんでここに?」 「あなたがいつまで経ってもこないから、ここまで来たのよ。さぁ、早く荷物を持って」 「あ、はいはい」 彼はそう言うとさっきまでビクともしなかった大きい荷物が簡単に動いた。 「本当にすみません。ありがとうございました」 「え?ああ、は、はい」 女性は駅員さんに一言謝ると、でかい荷物を背負った少年を引いて駅を後にした。 「………」 駅員はそこで苦笑いしながら呆然と立ち尽くしていた。 ーーー。
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