序章

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* * * 雛見沢の大いなる事件が終わった後でも、部活メンバーは人数は減ってもその熱いオーラは変わらなかった。 去年までの部長だった魅音は興宮の高校に何とか進学したが、時間があれば圭一達と進学先の新たな友達でこれまで通りの部活を行うようにしている。 その時必ず妹の詩音も何故かついてくるので、沙都子は最近部活しに来た魅音を見かけると時々ため息をついてしまう。 そんな沙都子は今まで通り梨花や羽入と本当の家族みたいに暮らしており最近では料理が苦手な圭一に女教師の如く知識を叩き込むのが何よりの楽しみらしい。 だがあまりに知識を教えるのに当初は時間が掛かり夜になっても中々帰って来なかったので、梨花にこっぴどく叱られたようだ。 その時の様子を羽入は懐かしそうに観ていたので梨花の頭におよそ90年ぶりに ? が浮かんだそうだ。 レナは鷹野との決着後、過去を振り切りもう迷いを捨て父親以外に自分を本名で呼んでも良いと部活メンバーに告白した。 そのせいか、圭一に本名を言われるとどうしても照れくさくなってしまうそうだ。 それと同時に勇気を出して圭一に付き合ってと告白したところ、彼はこう答えた。 「……何だよレナ、いきなりそんな事言われると照れるじゃねーか。 でもよーく考えるとさ、これから先魅音は卒業して興宮に進学するらしいからもう付き合ってるようなもんだよな。 それに、前にも言ったかもしれないが俺は皆の事が大好きだから、本気で付き合うかはまだ決められない。ごめんな」 といういかにも彼らしい返事だった。
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