始まりの終わり。

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健太はとある駅のベンチに座りながら、息を引き取る。 死因は『餓死』であった。 痩せ細り、髪は白髪が目立ち、無精髭を長く伸ばしたその容姿は現実離れしていた。 現代人が見る事のない異様さ。 享年23歳。早すぎる死。健太を知らない者はこの駅にはいない。 表情から生きたかったのであろうとわかる。 死して笑顔だったのだ。 健太が残した物を拾い集める事が、私達の役目なのである。
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