大石清「妹への手紙」

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大阪府出身で、飛行学校卒の大石清伍長は、昭和20年3月13日、14日の大阪大空襲で父を失い、重病だった母親も亡くす。 肉親は、大石伍長の妹である静恵さん、当時小学生。 兄が戦場に行き、妹は伯父の元に引き取られた。 妹思いの兄は、給与のほとんどを妹に送金しており、このような手紙をやりとりしたという。 静(せい)ちゃん お便りありがとう、 何べんも何べんも読みました。 お送りしたお金、 こんなに喜んでもらえるとは 思いませんでした。 神棚などに供えなくてもよいから、 必要なものは 何でも買って、つかって下さい。 お兄ちゃんの給料は うんとありますし、隊にいると お金を使うこともありませんから、 これからも静ちゃんのサイフが 空っぽにならない様、 毎月送ります。 では元気で、 おじさん、おばさんに よろしく。
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