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少女
生徒指導室から出ると遠くのほうに彼女がいた。
彼女は僕に気付くとパッと微笑みながら近づいてきた。
―――な、なんだろう…
彼女「やっと気がついてくれたわ。あなたに二人きりで会いたかったの」
言われたとたん、なんのことを言っているのか分からなかった。
そもそも、なぜ僕に話しかけるのだろう
僕は彼女と面識ないし
僕は内心焦りながら彼女を見ていると、みるみる彼女の顔が真っ赤になった。
―――女の子だね
彼女「ずっと、あなたを見ていたの。前に生徒会室に出入りしてたから…」
そう言うと彼女は僕の前に来て抱き着いた
その突然な行動を僕は驚いたまま受け止めるしかなかった。
けれど、そんな心とは裏腹に懐かしさで安心している自分がいる
――――なぜだろう
彼女「そんな厳しい感情をだしてはダメよ。自分の心を閉ざしてはダメ!―――その純粋さは昔からちっとも変わってないんだから」
彼女は苦笑いしながら「あなたは独りじゃないわ」と言った
僕はいつのまにか頷いていた
――――彼女は不思議だ
けれど心の奥で彼女に近づくなと訴えている。
それがどんどん強くなって僕は彼女を突き飛ばしてしまった
そして僕は逃げるようにその場から駆け出した。
―――僕はどうしてしまったんだろう
自分が分からなくなってくる。
心と身体がバラバラだ。
彼女がその瞬間から怖くなってきた。
自分が知らないところで見られていたなんて…
なんだか分からない
自分の心が見透かされているようで
彼女の近くにいると今の自分ではなくなってしまう…
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