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俺はある山の山道を歩いていた。
「はあ、はぁ、まだなのか、咲花村(さくはなむら)は。」
何故、こんなことになっているのか、それは先日に遡る。
ー先日ー
「ほんじゃあ、引っ越すぞ。」
突然のことだった。この男…残念ながら俺の父親である。うちは、俺と親父しかいない。親父は仕事柄しょっちゅうあちこちを飛び回っている。俺は一人暮らし状態だったのだ。その親父が帰ってきたとたん、『あぁ』、言ったのだ。
「悪いが、俺は行けん、先に行ってくれ。」
「もう、このマンションも解約したから、あと二日後には出ろよ。」
「お、おい!ちょっと!」
「これが引っ越し先の地図だ。」
「えっ?あ、あぁ。」
「んじゃ。」
バタンっ。
「行っちまった…。」
こういった経路で俺はここにいる。
「はぁ、暑い。」
「ったく、なんでこんなことしなきゃいけないんだ…。」
何故かを考えるがなにも出てこない。
「あ~、もう、休憩!」
そういって腰を下ろす。辺りを見回しても、緑一色。
「空気は旨いかもな。」
「景色も悪くないし。あとは…」
そう、あとは、
「人に会いてぇ!なんですか、この人のいなさ!?てか山道が進んでくうちに適当になってる気がするし!」
そう、さっきから人に出くわさない。なんてことだ!水ももうない。なんてことだ!
「はあ、声出したら余計に喉が渇くよ…。」
ねっころがってみる。その草の感触が堪らなく好きだ。そして、この鼻を擽る草花の香り…案外良いとこかもな。そう思ったとき、何故か懐かしい気持ちに支配されていた。そして、ゆっくりと瞼が閉じていった。
?1)「ねぇねぇ、この人死んでるのかな?」
?2)「いや…寝息立ててる…」
?1)「どうする?ほっとく?」
?3)「いやいや、それはマズイだろ!?」
?4)「起こしてみましょうか?」
『ん?なんだ?誰だ?』
頭のなかで考えてる間に、
?4)「あの~、大丈夫ですか~?」
「えっ?」
上半身を起こしてみる。そこには、見慣れない格好の女の娘達がいた。
『頭に…あれは…ヘルメットか!?』
『それに制服…な、なんなんだ!?』
頭の中で、起きたばかりの脳をフルに使ってみたがわからない。
?1)「うわっ!、生きてる!」
?3)「当たり前だろぉ!」
?4)「まぁ、まぁ。」
?4)の女の娘が諭している間に、?2)の女の娘が俺を見つめてる。
「えっ、えと…」
?2)「怪我…してない…大丈夫。」
「え?、あ、ありがとう…。」
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