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小さな神様
俺は社の前にいた。その社は古びていて、不思議な雰囲気を醸し出していた。
不思議と俺はその社に心を奪われていた。その社に手を伸ばそうとした時、自分の靴紐に足が絡んでしまい、倒れてしまった。
「いてて…、あ、ヤバい!」
倒れた時、社を壊してしまったらしい。見るも無惨な状態になっていた。
「どうしよう、こんなの直せないし…。」
その時だった!
壊れた社から、どこから現れたのか、白く光る球体が姿を現した!
「うわぁぁぁ!なんだこれ!」
その光は俺の前まで来た。
『一体なんなんだ?』
俺は少し怯えながら思った。
光はどんどん薄くなってゆき、小さな破裂音とともに、なにか小さなものが現れた。
小さな少女、だが着物姿で耳が狐のような、そんな容姿だった。
俺は言葉が出なかった。あまりにも美しかったのだ。いつの間にか怯えはなくなっていた。
その少女は俺の頭の上に降りた。
小さな少女)「おぬしがわしの封印を解いたのか?」
「えっ!?封印?」
小さな少女)「この社を壊したのじゃな。」
「は、はい。」
小さな少女)「わしの名は咲桜(さくら)、この一体の土地神じゃ。豊饒と富をもたらす神…といったところじゃな。」
この村はなんでもありだな!ついに神だよ、神!
「え、えーと…」
咲桜)「?、なんじゃ?」
「なんでもないです。」
あぁ、もう、なるようになれ!
咲桜)「そうか、ではわしはおぬしにとりつこうかの。」
「な、なんでそうなるの!」
咲桜)「良いではないか、こんなにも美しい神がとりついてやろうとゆうておるのじゃぞ?」
すごく自意識過剰な神様だな。まぁ、登場シーンは見入っちゃったけど。
咲桜)「それに、おぬしが社を壊したことにより、わしの住むところが無くなってしもうたしな。」
「ご、ごめん…。」
咲桜)「そのかわり、おぬしにとりつくのじゃがな。」
「避けられないな。」
咲桜)「うむ、わかればよい。わしはとりついている間おぬしの幸気を吸って生きてゆく。そうしなければ死んでしまうからの。」
さらっと重要なこと言わなかったか!?
咲桜)「そういえばおぬし、名はなんと申す?」
「搭条…搭条京也だよ。」
咲桜)「では京也、よろしくたもうぞ。」
「あぁ、よろしく。」
はぁ、この先どうなるんだか…。
はるか)「こらー、京也!何処にいるの~!」
ゆかり)「京也さ~ん!」
わゎ、ヤバい、探してる!
「おい、咲桜、どっかに隠れてろ!」
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