第三拾話 神の子 前編

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必死に女の子の腕を抑える巌さんの姿… その巌さんの腕からは血がポタポタと滴り落ちている。 それをテーブルに座りコーヒーを飲みながら嬉しそうに見ている母親の姿… そして母親と目が合う。 母親『まだ帰ってなかったんですか?出ていけって言いましたよね?』 一定のトーンで話す母親… 女の子『サガレ……』 その女の子が一言言うだけでおとなしく椅子に腰を据えた。 ふと巌さんの力が抜ける。 その腕からスルッと抜けた女の子は何事も無かったかの様に俺の目の前へとスタスタと歩いてきた。
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