遠ゐ昔の想ひ出

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遠ゐ昔の想ひ出

「あなたのお名前は何ていうの?」 僕の隣に座っている子が僕に向かって問いかける。 嗚呼、僕の名前を教える訳にはいかない…… 「僕の名前は……金田、幸………。」 嘘をついてしまった。 僕は本当の名前を教えたい。 だけど父上の言い付けは守らねば… 「金田……幸、くん。じゃあこれから私、幸くんって呼ぶね!!」 この子の笑顔の純粋さに目がくらむ。 ……あ、僕はこの子の名前を知らない。 「君の名前は何ていうの?」 「私?私の名前は―――――――  
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