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「いやいや、しばらく黙って君を見てようと思ってたんだ(笑)」
相変わらず声の発信源である先輩の姿は見当たらない。
「そういうのはいいから、さっさと出てきて下さい、あなたに使う時間自体、無駄なんですから。」
さすがにイラつきを覚えて、嫌悪感満載の、少し低めの声で煽ってみる。
「っていうか……俺さっきからしっかり君の見える範囲に居るんだけど?」
「え……。」
そう言われてみて、確かに、先輩の声はすぐ近くから聞こえている事に気づく。
「ほら、こっちこっち」
えっと、声……後ろ?
後ろを振り返るが、先輩の姿は見当たらない。
「…?本当にど――。」
こ?
と言いかけた瞬間、私の目の前にいきなり先輩が上から飛び降りてきた。
「君は捜すのが下手だね、俺はずっと上から見てたってのにさw」
という憎まれ口と共に。
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