∮用件

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「もう御託はいいです。さっさと用件をお願いします。この後用事がある上、私は貴方となんか話したくもないんですから。」 『用件をお願いします』という言葉に心なしか、そうだった、と反応した春木…先輩は、ニコッと笑うと再び憎たらしい口を開いた。 「用件って程じゃないんだけどさ、俺ね、 気に入ったんだ」 「はい?」 主語がないため、用件の要点が全くわからない。 ……次の彼の一言でわかりざるを得ないのだけど。 「いや、だから、気に入ったんだよ、君が。」 頭の中が、『は?正気?』という名の苛立ち混ざりの疑問でいっぱいになる。 そして、一番最初に出た言葉は、 「3秒以内に視界から消え去って下さい。」 という、問答無用の言葉だった。
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