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「す、すいません…」
一人の少女がおそるおそるガラスのドアを開けた。
『ようこそ。初回限定恋愛相談所へ。まぁ、お座りください』
「は、はい…」
入ってすぐの受付には一人の男性が座っていた。
男性の前のテーブル越しに椅子が二つ並んでいる。
少女は二つ並んだ椅子の右側に腰掛けた。
『私が代表の片桐 義信(かたきり よしのぶ)と申します…。貴女のお名前は?』
見た目は20代前半。茶色くサラサラの髪の毛。俳優と言われても違和感を感じないルックス。
そんな男性に自己紹介され、少女はすこし緊張していた。
「み、南 愛莉(みなみ あいり)です…」
『愛莉さんですか。素敵なお名前ですね…』
義信はすこし微笑みながら言った。
「そ、そんな…」
愛莉は頬を赤らめ、顏を義信から背けた。
『愛莉さんとお呼びすればよろしいでしょうか? 私のことは義信とお呼びください』
「は、はい…」
『さて、自己紹介も済んだところですし、本題に入りましょうか…。』
義信は椅子にかけなおしてから言った。
『貴女のお悩みはなんですか?』
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