第一章 第六話 王都

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降の目の前に居る少女、彼女の名前は静香といいそれなりに良い所のお嬢様である。 因みに降は平民であるが、彼女とは幼い頃、町で迷子になっていたころからの付き合いで学校も一緒に通っている。 可愛らしい雰囲気と言うよりも、先にも言っていたが落ち着いている雰囲気を出している。 髪の色は、ライトブラウンといった所だろう。 それが肩の辺りまで伸びており、瞳の色の同じ色である。 総合的に見るとクール系なのだろうが、降の前ではデレデレなのはご愛嬌…… 「……降、ここ一週間ぐらい何処に行っていたの?」 「えっと……、信じられないと思うけど隣の大陸まで転移してた……」 「…………もしかしなくても、アイツとの模擬戦の際の転移を使った戦闘方法が原因だよね? あんなまだ確立してない戦闘方法危険だというのに……」 「恐らく、絶対の自信があったんだろうよ。 まぁお蔭で面白い人達に出会う事が出来たけどね」 「今噂になってる元魔王と、一緒に居た人間の事?」 「うん! 本当に二人は規格外なんだよ!!」 降は今まであった出来事を簡単にまとめ静香に伝える。 その際、彼女の顔が驚いた様子やら笑っている場面があったのを見て、降は癒されていた。 「昆虫の魔物の群れを威嚇だけで追っ払う人間なんて居るんだ……」 「しかも後々手合せの約束までしちゃったし……」 「……がんばれ!!」 「……うん。 っと、じゃあ僕は二人を王様の元へ送らないといけないからそろそろ」 「分かった。 ……あ、ちゃんと挨拶させてね?」 「むしろ紹介したかったから丁度良かったよ」 二人は手を繋ぎ、アリの巣を観察している二人の元へ歩いて行く。 途中後ろの訓練場から怒声が響いた気がするが、降と静香はまるで気にしない様に歩いて行くのであった。
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