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ナギが化物と言った直後、部屋の温度が下がった気がした。
「化物……ですか?」
「そうだよ。 世界のバランスが崩壊した後に生まれるバグにはね。 そのチート君に対する妬み、恨み、憧れなど様々な感情が入り混じってるんだ。 そしてそれは結果として
”俺もああなりたい”や”アイツがいなければ”という欲望や感情の塊になるんだ。 分かるかい?」
ナギが言う事はなんとなく理解した。 つまりそのああなりたいやいなければという欲望や感情がなんらかの化物を生むんだな。
「どうやら分かってるようだから続けるよ。 つまりは、その感情を生物に加えると、なんとその欲望の原因となったチートが一切効かなくなる化物が誕生するんだ。 簡単に言うなら不老不死になりたいというチートは、不老不死を殺せる力っていう具合にね」
「……つまり、相手はその化物を使って戦争をしようっていう魂胆なんだな」
「その通りなんだよ……。 試しに10体ぐらい戦ったんだが、素材となった生き物のスペックを軽く凌駕してて倒すのに苦労したよ」
神様が苦労する奴って……。 本当に化物だな。 うん、俺は戦力外でよかった!!
「あぁ、残念だが登君。 君の中に眠ってる力は非常に戦力になる。 出来れば使いこなして貰いたいのだが? 因みに拒否した場合は、悲しいお知らせが……」
「拒否権ないじゃないですか!!」
悲しいお知らせにはなりたくないので、俺は力を使えるようにならなければならないらしい。 まぁ、まずはそんな事より……。
「ミィナさんのご飯を食べましょう」
「それには大賛成だ」
腹が減っては戦は出来ぬと言うしね!
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