707人が本棚に入れています
本棚に追加
料理を食べ終わると、俺はナギにまだ聞きたい事を聞いた。
「ナギ、まだ聞きたい事があって……」
「ん、構わないよ。 何でも聞いてくれ」
「それじゃあ、世界のバランスを壊す為に敵となった神がチート君を量産してるんですよね?」
「その通りだね。 力を持っている者、力を欲してる者、今ある現状に満足していない者、異世界に憧れている者をワザと死ぬように細工してるんだよ」
その言葉に思い出す自分が死んだ時と、目の前で子供を助けて死んだイケメン少年……。
「じゃあ、俺の目の前で死んだイケメン少年や俺の死はワザと?」
「あぁっと、イケメン少年はワザと殺したみたいなんだが……、登君、君は違うんだ」
「……は?」
俺の思考は一瞬止まった。 しかし直ぐに復活させ、まさかの可能性を口にした。
「まさかと思いますが、巻き込まれたという事ですか?」
「ははは……、まさにその通りなんだ」
「まじかぁ……、というか無駄に死んだのか俺」
「その結果、先に死んだイケメン少年より遥かに高い能力を有していることに気付き、全力で釣り上げたという訳だ」
「というより俺に、神ですら驚く力がある事が一番驚いてます」
「そこなんだよ! 登君、身内に異常な力を持っているとかそういう人いない?!」
「いや、いませ……」
登は、言葉を出そうと思った瞬間思い出すは、ジャガイモの芽サラダを食べてピンピンしていた母の姿。
以前、死んだ父から聞いた話の中で、母との出会いは防護服着用絶対の汚染区域で、母は防護服を一切纏わずに生活していたらしい。
普通の人なら、こんな母を見て化物と叫ぶだろうが父は……。
「め、女神だぁぁぁ!!」
と、叫び出会って数秒で告白。 次の日には婚姻届を提出し、その三か月後には俺を妊娠。 とまぁ異常なまでのスピード婚をしたらしい。
聞いた時の俺は、冗談だろと思い聞き流していたのだが……。
「母が、汚染区域に防護服無しで生活していたらしいです」
「あぁ、それだね」
おい、これが原因かよ!
最初のコメントを投稿しよう!