第一章 第一話 終わりからの始まり

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つまり俺は母さんの所為で、こうなったのかと頭を抱えているとナギが喋り出した。 「しかし疑問も残るんだよね。 登君のお母様が持っていた力は一つ……。 だから受け継がれたとしても一つ。 だけど登君の中には六つの力がある。 いったいどういう事だ!!」 「そんなの俺が聞きたいですよ!!」 今更ながら、相手が神であるのに物怖じなくなった俺が怖い……。 というか6つの能力が俺にあったのか。 「まぁ、まだ疑問がコッテリと残っているけど、話を終わらせようか」 「俺の疑問を脂っこい食べ物みたいに例えないでくれ!!」 「これから君には、ここ天界にいる様々な神の下で修業し、強くなって貰うよ?」 「スルーするなぁぁ!!」 その後も俺の言う事を殆ど華麗にスルーされ、俺は今、道場の前に居る……。 「結局俺は、ナギにスルーされ続け流されここにいるのか……。 やばい涙が出てきそうだけど、とにかく入るか」 俺は目の前の道場の扉に手をかけ、開けようとしたら中から声が聞こえてきたのだが…… 「貴様ら! それでも武を司る神の一柱か!!」 「キュレ様ぁぁ……、流石にもう無理です……」 「情けない……、情けないぞ貴様ら!! 20人も居るのに私に傷一つ負わせていないのだぞ! 悔しくないのか!!」 「だからって、240時間ぶっ続けでやるのもどうかしてます! 見てください! 俺の筋肉がプルプル痙攣してます!」 「知るか! 女の私の前で貴様の汚い筋肉を見せるな!!」 その言葉が聴こえた瞬間。 ゴキャッ! という音が聴こえ……。 「え? ちょっグハァァァッ!!」 扉を吹き飛ばして外に吹っ飛んだのであった。 扉の前に居た登もろとも……。
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