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「ほらっ! もっとよく剣を見ろ! 目を瞑るな!!」
「何で木刀で木刀をスライスできるのか聞きたい!」
あの後、俺はどうやら彼女に、いやキュレさんに気に入られたみたいで毎日の如く木刀を振り回している。
そして何故か毎回のように木刀がカツオ節にスライスされていく……。
一体どういう剣捌きしたらこうなるんだ。
「戦いの最中に考え事とは余裕だな!」
「うわぁっ!?」
持ち手以外の部分が全部カツオ節になった……だと?
「せいっ!」
「がっ?!」
俺が唖然としていると、キュレさんの蹴りが俺の腹部に深くめり込み、道場の壁に叩きつけられる。
「蹴りなんて反則……」
「何を言う? 戦いに反則も何もないだろう? なんだ、戦いにルールが必要か?」
「いえ……。 俺が間違ってました……」
そうだ、この人にとって戦いはルールなんて無用の長物なんだった……。
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