第零章 第零話 夢

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辺りを覆うのは一面真っ暗の闇……。 その場所に一人佇む男が居た。 「………………」   男は何かを言っている様だが何も聴こえない。 ……いや聴こえてこない。 聴こえるのはザーッというノイズ音だけ。 「み……な……めん。 お……のち……ら……そくで……」 よく耳を凝らすと、男の呟き声が少しだけ聴こえるが、やはり殆どがザーッというノイズ音で消されてしまう。 しかし、男の声が聴こえると辺りが少しだけ明るくなる。 だが其処にあったのは人か判別出来ないほど四散した死体……。 他にも真っ黒に焼けた死体。 氷漬けにされ砕かれた死体。 他にもあるがもう見たくない……。 「おれ……でき……こ……は、も……あれ……かない」 何か呟いた後、男の体から光の玉が五つ出現した。 その光の玉達は、螺旋を描きながら空の彼方へ消えて行った……。 「これ……かほう……うがな……んだ。 も…………と……の……れに……くす……かもう……」 その瞬間。 突然目の前から全てを無に帰すと表現しても言い閃光が、男を飲み込み辺りに散らばっていた死体ごと葬り去った。 そして全てが無くなった後、目の前には暗くて分からないが五体の何かが居ることが分かった。 アレが何なのか分からない……。 だけど一つだけ分かる事がある。 “アレは人が勝てる相手では無い” という事だ。
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