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俺が再び目を覚ますと、そこは何もないただ白い空間が広がっているだけだった。
「……俺って確実に死んだよな? というかアレで死なない人間はただの化物だと思うし、という事はここは死後の世界? だとしたら背景が寂しい世界だなぁ」
登が一人ポツンと白い空間を漂っていると、目の前に何処かで見たような少年が変な空間に吸い込まれていたのが見えた。
「あの少年って……、そうだ! 俺の目の前で子供を助けた奴じゃないか! それに何であそこだけ空間が歪んでるんだ? まるでアイツを吸い込んでるみたいじゃないか」
そう一人、ブツブツと呟いていると先程の少年が謎の空間に吸い込まれていった。
「……なんか分からないけど、俺の何かがあの空間には入ってはいけないと告げているのだけど……」
その言葉と裏腹に、謎の空間は次の標的にと登を吸い込みに近付いてきた。
「やばい、やばいやばい! アレだけは絶対にやばい!!」
只管手足をもがいて何とか近付いてくる謎の空間から逃げようと必死に泳いでいるが、それを上回るスピードで空間が迫ってきた。 登が、もう駄目だと思った瞬間、目の前に釣り針が垂れてきて服に引っかかった。
「ん? この後ってまさか……」
登の懸念通り、そのまま一本釣りの如く登は釣り上げられたのであった。
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