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まだ夜の明けない内に起き出して、手早く身支度を済ませる。
霄瓊は高校に通っていて良い年齢なのだが、学校には行かず幾つかのアルバイトをしながら暮らしている。
今日も早朝から近所の喫茶店で、午後からは古本屋でのバイトが入っていた。
静嵐を起こさないよう気を付けて二人分の朝食を作り、テーブルに並べて自分の分を静かに食べる。
片付けが終わると、壁の方を向いて眠っている静嵐の枕元に正座して小声で言う。
「行って来ます、静嵐」
そう告げて音を立てないように立ち上がり、足音を忍ばせて外に出た。
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