第四章

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無言で振り返る小嶋に、僕は告げた。 「やっぱり…行ってくる!」 今度は簡単に手が解放され、僕は微笑みながら頷き、階下に降りていった。 玄関を抜け、門扉の前まで来ると、車の中に腕組みして座る工藤さんを見つけた。 黙ってその助手席に乗り込む。 「なっ…なんや、お前! 逃げ出してきたんか!? 情けないヤツやなぁ…」 言葉とは裏腹に安堵したような表情の工藤さんを睨み付け、臆する事なく言う。 「逃げ出したのはどっちです? 情けなくていいってあの時言ってくれたの、工藤さんじゃないですかっ! 本当は工藤さん、小嶋の事も蒼太の事も愛してるんでしょ?」 彼は静かに視線を落とした。 .
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