第四章

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「……俺やったらあかんねん。 アイツらを幸せにはできん… お前やったら…」 工藤さんが言い切る前に、僕の拳が彼の頬に食い込んでいた。 「いい加減にしてください! 小嶋が工藤さんを選んだんです! あの人の子供がどうしても欲しかった…って小嶋言ってました。 あんな人やけど、それでも愛してるねんって言ってました! 僕じゃない…工藤さんしか小嶋を幸せにできないんですよ?」 工藤さんは左頬を擦りながら、痛いやんけ…と呟いた。 「そんなもん、お前に言われんでもわかっとるわ! せやけど、俺がアイツとおると苦しいんや… 自分で情けない思うけど、浮気は治らん…病気やなて思う。 その度に悲しませてるのはわかっててもやめれん。 一緒におったかて、どうせ悲しませ続けるだけや!」 .
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