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「それは……単なる言い訳じゃないんですか?
僕にはそう思えてならないんですが…」
すると工藤さんは小刻みに首を縦に振った。
「せやろな…お前にはわからんと思う。俺とお前はちゃう種類の人間やさかい…
言い訳やと思ってくれてかまへんで?せやけど俺も…苦しいんや。
お前にはわからんやろけど…」
それから工藤さんは静かに語り始めた。
小嶋と蒼太を愛してはいるが、他の女性達も小嶋にない部分を補ってくれる必要な存在だと。
他の浮気相手はみな、自分のその気持ちを理解して付き合っている、謂わば"同類"で気が楽だけど、小嶋は"同類"ではない。
"同類"でなければ自分の気持ちは理解されないだろうし、一緒に居ても傷付けてしまうだけだと、彼は言った。
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