第五章

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「娘達の親権はかみさん。 で、お腹の子が俺の子じゃないと証明しなきゃいけないらしい。 それが厄介だけど… まぁ、やっと独身に戻れるっていう解放感の方が強いかな!」 そこは少しだけ強がって言ってみた。 戸籍だけの繋がりだったけれど、それさえなくなるのは少しセンチな気分にはなる。 「そっか!そうやな! よしっ!じゃあ乾杯しよっ! 私らお互い独身に戻った記念に」 小嶋のこういう明るさに何度救われただろう。 多分僕のほんの僅かな強がりも全て見透かしていながら、気付かないフリをしてくれる彼女の優しさを感じながら、僕らはジョッキをカツンと合わせた。 .
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