第五章

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もうかなり前から気付けば隣に居て、一緒に笑ったり泣いたり色んな事を共有してきた僕ら2人。 いつものように2人でタクシーに乗り込み、小嶋を送って行ってから自宅に戻る。 小嶋は離婚後、大阪市内の高層マンションにお母さんと蒼太を連れて引っ越していた。 以前よりも随分職場からも僕のマンションにも近くなり、送って行く時間は短くなった。 いつものように僕の肩に凭れて眠る小嶋。 その寝顔を目だけ動かして盗み見る。 この時間がいつしかいとおしいものに変わっていた事に、僕はいつから気付いて…いや、気付かないフリをしていたんだろう。 起こさないように気遣いながら左手を小嶋の頭に移動させる。 そして、初めて彼女のおでこに唇を軽く触れさせた。 .
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