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僕の部屋の片隅に置いてあるサボテンの花びらを指でなぞりながら、小嶋ははにかんだように笑う。
「役所の人、めっちゃ怪訝な顔してたなぁ…
可笑しかったわ!」
冷蔵庫から冷えたビールを取り出しながら、僕もつられて笑った。
「そりゃ~、離婚届けを手を繋ぎながら出しに来るなんて、不思議やったんちゃう?」
ふふっと笑って小嶋はソファーにやって来た。
「私らが離婚するわけやないのにね?」
久々に見た小嶋の心からの笑顔に、僕の心臓は忙しなく拍動を始めた。
昔は黙っていれば美人なのに…とよく思ったものだが、あれから何年経ってもやはり彼女は美しく、それは外見だけじゃなく内面からの輝きを纏っているように思えた。
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