最終章

2/32
前へ
/159ページ
次へ
2011年10月。 一部の友人や職場の上司など、限られたごく親しい人のみでのささやかなパーティが開かれることになった。 もちろん、僕と小嶋の事実婚パーティなわけだが、小嶋はまだこの事を知らない。 最近、小嶋はどうも機嫌が悪い。 僕が何か話しかけても素っ気ない態度で返されるし、事ある毎に喧嘩口調になる。 まさか妊娠はありえないし、少し早めの更年期ってヤツかな~と、口には出さないけれど内心思っていたりする。 僕らはもう43歳。 平均寿命から言えば、折り返し地点を過ぎてしまった。 しかし小嶋と暮らし始めてから、僕は周りから若くなった!とよく言われる。 充実した生活が。 それを与えてくれる小嶋のお陰だと思っている。 .
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

234人が本棚に入れています
本棚に追加