最終章

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「うん、わかった! 連絡、ありがとう…」 電話を切った途端、小嶋が呟いた。 「…もしかして?」 僕は頷いてそれに答えた。 「ちょっと……行ってくる!」 僅かに下がった眉尻に小嶋の不安が見てとれたが、僕は彼女を一度キツく抱きしめて、耳元でいってきますと呟いた。 玄関まで見送ってくれた小嶋に、僕は目尻を下げて言った。 「すぐ、帰ってくるから!」 小嶋は首を横に振る。 「ううん、ゆっくりしてきて? 私の事やったら大丈夫やし…」 「ありがとう! いってきます!」 いつもはしない、いってきますのキスをしてからドアを開けた。 .
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