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それでもモナは苛立ったように乱暴に椅子を引いて立ち上がった。
「でも…いつも傍にいて助けてくれたんはお母さんやし!
私、もう話したくないっ!」
まるで何かに怯えるように逃げ去ってしまったモナ。
「ちょっと!モナ!」
慌てて呼び止めようとしたヒナを制し、僕はかぶりを振った。
「今はソッとしておこう…
これ、お父さんの連絡先。
何か困った事があったら…いや、あってもなくても、いつでも連絡して?
待ってるからな…ヒナ。
今日はありがとう!
ヒナももう、行きなさい」
予め用意してあった僕の携帯番号とアドレスを書いたメモを渡すと、ヒナは力なく頷いた。
「ごめんな…お父さん。
絶対メールするからね!」
ヒナと山口さんも立ち上がり、一礼して名残惜しそうにその場を去ったが、僕は立ち上がる事すらできなかった。
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