女性の憧れ

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車の助手席に押し込められた あたしは、すばやく シートベルトをしめて シートベルトを握る そうしなければいけない 理由があるのだ 「おっし。シートベルト しめたか?」 「はい!!」 先輩はあたしのシートベルト を確認すると 「とばすぞっ!!」 アクセルを思い切り 踏み込んでスピードをだす そう。先輩は恐ろしいほどに 車のスピードを出すのだ 入社当時に初めて先輩の助手席へ乗った時、あまりの 驚きとスピードに舌を噛んだ のを覚えている。 今日も相変わらず 先輩のブレーキは、全く 意味をなさずにいる。 アクセルを踏む先輩の顔は 鬼の形相とは言わないが いろんな意味で恐ろしい。 そして、赤信号になるとき あたしは気になっていた事を 先輩に聞いた。 「あの…これから どこに行くんでしょうか?」 すると先輩は煙草を 取り出しながら答えた。 「人気小説家。神崎奏んとこ 知ってんだろ?」 「え!?あの神崎奏ですか! あのモデルもしてる!?」 ああ。そうだ。 と言いながら先輩は 煙草の煙を吐く。 「かっこいいんでしょうね~」 とあたしは神崎奏を 想像してついつい浮かれる
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