序文

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 ――と、筆の動くままにつらつらと書き進めてみた。  読者諸賢もお思いだろうが、俺は理屈っぽい人間だ。前頁を読み返して、自分も改めて確信した。  家族や数少ない友人には、屁理屈を言うな、とよく咎められる。  しかし、重要な点は以下だ。  中学生の俺は論理を蛇蝎の如く忌み嫌っていた。高校二年生の今でも、それを信頼しているわけではない。  受容する必要性は理解しているつもりだが、まだ納得していない。  なぜなら、論理によって導き出された事象が正しいことを、論理(演繹)的に証明することが不可能だからだ。  証明するには経験則(帰納法)が相応しいと思うが、人生経験の乏しい俺である。  論理を百パーセント信用できる日は来るのだろうか。
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