序章

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私は、よくあの頃を思い出す。 私に突き刺さったいろんな言葉を、飲み込むことができなくて、涙を零すばかりだったのあの日々を。 けれどそれらはすべて、 ふりかえれば、なんともない日々だった。 そう。 いつだって時間が足りなかっただけなんだ。消化するまでに、時間が必要で。そして、その時間が私は人より長かったから。 その消化の間、私は考えていた。 ずっとずっと。 終わりのない迷宮を、 ぐるぐると ぐるぐると 迷い続けるように、 同じ道を何度も通って 考えていた。 あの日々があった理由と、 生きてる意味を。 [最後のメール]
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