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[新幹線がゆっくりと動き出す]
シュラ
「へい、ちゅうもーく。
アタシは今回ムリヤリ増援部隊隊長押し付けられた、霧隠シュラです!ヨロシク!
ふんじゃひとまず、"情報管理部"の佐藤くん、現状説明頼むわー」
佐藤
「え、あ はい!
7月22日、午後1時20分頃、騎士団基地"最深部"内にて、"特別危険悪魔部位"に指定され封印されていた、
"不浄王の右目"が何者かに奪われました。
これは"最深部"元・部長、上二級、藤堂三郎太(とうどう さぶろうた)の手引きだったことが判っていますが…
その目的や共犯者の見当もつかず現在調査中です」
シュラ
「そー。そして同時刻。西に離れた"京都出張所"の深部も何者かの襲撃を受けた。
こちらは未遂に止(とど)めたが…狙われたのは"不浄王の右目"…!」
出雲
「あの!
"不浄王の右目"とか"左目"って何なんですか?習ってません!」
シュラ
「そう、この悪魔はメジャー扱いされてない。…その割に逸話の方は穏やかじゃないぞ。
んじゃ、"不浄王"について…"悪魔歴史学"の足立先生お願いします」
足立
「へ!? はぁ…
"不浄王"は江戸後期…安政5年頃に流行した、熱病や疫病を蔓延させたとされる上級悪魔で…
当時4万人以上の犠牲者を出した元凶といわれているんです。
"右目" "左目"とは、"不浄王"を討伐した"不角(ふかく)"という僧侶が、討伐したことを証明するために抜き取ったというもので…
目だけでも強烈なショウキを発し、大変危険な代物です」
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