オルゴールの話

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―――数年後。 たくさんのオルゴールが歌う。 私達を祝福するように、共に神に誓いを捧ぐように。 『ずっと、僕だけの音調師になってくれませんか―――?』 彼らしいプロポーズの言葉。 「君は昔話の歌姫ガレット、僕は同じ昔話のオルゴールの作り手シエル。その子孫。」 「ガレットは“音”って意味だったよ、ね?」 「うん。シエルは器って意味」 「アンシェル・ガレット…器成らぬ音、」 「シエル・アヴァレット、で音鳴らぬ器。二つが揃わないと結局は何もないのと同じ」 これからは2人で歩く。 大丈夫、オルゴールがあれば、きっと大丈夫。 2人を巡り合わせてくれたんだから 奏は、どんな動物達の心にも、話しかけることができるんだから───……。                end
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