オルゴールの話

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「なら…」 「…?」 「なら、音調師になってよ」 「音調…師…?」 彼女はそれ自体が何かわかっていないようで、キョトンとしている。 「そう。オルゴールに歌を教える音調師。」 理解できない、そんな顔をする彼女に彼はゆっくり言葉を続けた。 「―――君は昔話に語られている“ガレット”の子孫なんだよ」 それは運命。 音の器の創作者と音に愛された者の出逢い。 どちらが欠けても音は調べを失う。 叔母が遺したオルゴールもそんな運命の端くれ。 そう、きっとこの人が――…
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