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「やっふぅうう!!!!」 ザザザザと原っぱの斜面をガキのように声を上げて滑るように降りていく青年。 「おっと」 目的地に辿り着いたのか、青年は自身の足を器用にブレーキに使い、立ち止まった。 コンコン 木製のドアを先ほどの勢いが嘘のように大人しくノックする。 「どうぞ」 ドアの向こうの家の中から優しそうな女性の声が返ってきた。 青年はその場で一呼吸すると、 「お邪魔しますっ」 勢いよく叫んでドアを開く。 「お帰り、待ってたわよ」 ニコリと笑って青年の声に返事をする女性は修道院の制服に身を包んだ優しそうな中年女性だった。 「久しぶり!市葉(いちは)先生」 青年は市葉と呼んだ女性にそう返す。 「ホントに、何年ぶりかしら」 フフフ、と市葉は穏やかに笑いながら、懐かしそうに言ってきた。 「3年ぶりだよ。俺は、3年間軍隊養成学校の寮に缶詰めだったからさ」 青年は言いながら、市葉のいるところまで移動してくる。
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