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まえがき
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“ trick of fortune”(トリック・オブ・フォーチュン)
これを日本語に直すと、「運命の悪戯」と言うような意味になる。
この場合の“トリック”には、一般に使われる「誤魔化し」とか、「ペテン」と言うよりは、もっと深い意味、例えば、人間の力ではコントロールしきれない不可抗力と言うようなニュアンスがふくまれている。
この『心理トリック』の“トリック”も同様で、人を操る力は、運命ばかりでなく、人間自身の心の中にも潜んでいるのである。
心理学と言うのは、言うまでもなく、人間の心のメカニズムを分析し研究する学問だが、中でも私達の日常生活に思いがけない影響を与えているのは、自分で意識されない深層部分での心の働きである。
つまり、人は、自分の全く気づかない所で、心理的に操られているのだ。
人間を知らず知らずのうちに、操り人形のように操るこの心理的なカラクリを、私は「心理トリック」と名づけたのである。
例えば、人間に出ると上がってまう、自分に自信が持てずいつも消極的になってします、あるいは、肉体的にコンプレックスがあるなど、人間には様々の悩み、不安があるが、これらを征服しない限り、この“弱肉強食”の現代を生き抜く事は出来ない。
そけで、自分で自分を意識的にコントロール出来る」“意志人間”になる為には、まず己の心のメカニズムを知る事が、何より先決の問題なのである。
さらに、現実の生活では、個人個人の心のメカニズムが、二人あるいさ三人以上、あるいは組織的規模の人間関係の中で、微妙かつ複雑に絡み合い、影響している。
つまり、貴方が社会的人間である以上、自分の心のメカニズムを熱知するだけでなく、他者(それは個人の場合も、大衆の場合もあるが)の心の知る事によって、初めての貴方の人間関係コントロール術は万全のものとなるのである。
しかし、ここで心得ておかなければならないのは、実際に既に、このような人間の心の働きを意識的に利用した無数の罠が、我々の周りに張り巡らされている事である。
つまり、これまでも、そしてこれからも、巧妙に仕掛けられた故意の心理トリックが、我々を知らずにコントロールしているのである。
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