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森田式では、この原理を踏まえて、例えば、入院♿🏥してきた患者に、最初の一週間だけ、食事、洗面、排便だけの絶対臥褥(ガジヨク)をさせた後、種々の作業に従事させる。
掃除、鳥の世話、手芸、工作等である。
この作業が重要で、精神安定剤等の代わりに、普通人の労働を患者に課す訳である。
患者は、次第に自信を持って、外向的になって行く。
と同時に、労働の余暇には、ピンポン・ベビー・ゴルフ等のレクリエーションも加わって行き、四十日後には、殆ど回復して退院出来る様になる。
特に、赤面恐怖症、対人恐怖症、外出恐怖症等の神経症は、環境に順応しえないのではないかと言う不安感が、強迫観念に迄なっているので、この発生源を取り除こうと言うのが、この療法の特徴である。
この「らしく」と言う方法は、自分が順応したい環境、または、加入したい集団の態度を真似るもので、勿論一般人にも適用出来る。
アメリカの社会学者のマートンとキットが行なった「アメリカ兵の研究」では、下士官に似せた態度の兵士の方が、より多く下士官になっていると言う結果も出ている。
職場でも、上役になったような気になる自己暗示がキッカケになって、仕事の能率が上がる例は、よくある事である。
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