3 自分を積極的にするトリック

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_  そして、この後で、彼らを一緒に研究室に呼んで、成績についての面接をするのだが、学生達には、予め、三段階の成績表を渡してある。  「不可」、「普通」、「優秀」の三種類である。  渡す時に、「不可」の学生には、「キミは、まるで悪いな。これではとても、熱心👊に勉強しているとは思えないよ。」と言っておく。  すると、「優秀」の者は、面接官の一番近くに座ったのに対し、「不可」の学生は、最も離れて座ったのである。  更に、前もって行われた性格テストで内向型と分類された学生は、成績とは関係なく、外向型の学生より離れて座る傾向が見られた、と言う事だ。  この実験からも明らかなように、私達は、相手に対する心理的な抵抗感を、実際の距離で示す事が屡々ある。  例えば、定例会議等で、自分なりの企画を考えて来なかった時などは、上役からなるべく目の届かない所に座り、素知らぬ顔で煙草を吹かす等と言った事は良くある事である。  また、上役と顔を合わせると何となく気詰まりな感じがすると言った人も同様である。  しかし、実は、この現象は、相互作用なのであり、席をいつも離れた所に取る事自体が、仕事への積極性を押さえ、上役との間も親しみ難いものにしているとも言えるのである。  だからそう言う人は、わざと自分を上役のすぐ近くの位置に置く事によって、逆に“ガンバラナクッチャ”と言う意欲的人間、外向的人間に自己変革していく事を志すべきなのだ。 _
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