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走り出してから10分程して一本の大きな木の根元にある少し大きな家が少年の視界に入った
家の窓からは光が漏れており、誰かが居る事がわかる
外には肉を焼く機械などが置かれていて今日は外での食事だということがわかった
「もう真っ暗だね…怒られちゃう…」
リリーが若干泣きそうな顔で小さく呟く
「大丈夫だよ……よし、行こうか」
少年はリリーが泣かないように優しい笑顔で励ました
家が視界に入り、一度止めた足を再び動かす
「ただいまぁ!」「父さん、母さん。只今帰りました」
そして二人は元気よく家に入った
家に入ると廊下は暗かった
リビングは何だか騒がしそうで少年達が帰った事がまだ伝わっていないようだ
「リリー。今日は何かあるのかい?」
騒がしいのを少年は不思議に思い、暗い廊下を歩きながらリリーに訊ねる
「んとねぇ…『ぱーてぃー』するって言ってたよ?」
リリーは顎に人差し指を当て、少し考える素振りをしてから答えた
「あ、そうか。今日は〝あの日〟か…」
少年は納得したように頷き、リビングのドアに手をかけた
ドアを開き中に入ると大人六人と子供二人がジュースを飲みながら楽しそうに談笑していた
「あー!ニーナお姉ちゃんだぁ!」
リリーはニーナと呼ばれた少女に飛びつく
「あら、リーちゃん。帰って来てたの?」
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