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川のせせらぎが聞こえる天気が非常に良いとある日の空の下
草原の丘の一番天辺にある竜の頭に似た岩石の上に人影が一つ
その人影は胡座をかいて丁度岩の真ん中辺りに座っていた
目を瞑るその顔は格好いい部類に入る顔で目の下にある黒っぽい青のスペードの入れ墨と目を瞑っていても解る垂れ目と垂れ眉だ
年はまだ上級学院に通う程で髪の色は銀色で日に当たり少し輝いて見えた
そんな彼はもう四時間ぐらいそこに座っているというのに動かない
寝てはいないのだが石像の様に動いていないのだ
彼の肩には小さな小鳥が留まり一緒になって目を瞑っている
膝の上には赤い毛並みの狐が寝そべり、頭の上には小さな白い龍が寝ていた
端から見たら何とも異様な光景である
―――
更に数時間経って空に赤みが増してきた頃、その少年に近づく小さな影が一つ
その影は丘の隣にある小さな森からトテトテと走り寄って来て、岩石にたどり着くと手慣れた感じでよじ登り始めた
少年はその影に気づかず一つの置物のように胡座を続ける
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