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少年とリリーは森を走り抜け、近場の街に入ると大きな販売店に向かう
「何を頼まれたんだい?」
賑やかな道中、少年が色々なお店を面白そうに見ているリリーに話しかける
「んとね…これ!」
リリーは手に握っていたメモを少年に差し出す
少年はそれを受け取り、メモに書いてある物を確認しながら買い物籠の中に入れていく
「(んー…鶏肉とジュース…それから……お菓子?)」
メモの裏の片隅には小さい文字で『リリーにお菓子を買ってあげて』と書かれていた
少年はメモを見つめながら小さく笑うと早速リリーを探して買おうと足を踏み出す
店内でリリーを探しているとぬいぐるみが置いてあるコーナーで物欲しそうに何かを見ているリリーがいた
少年はリリーに後ろからゆっくりと近づき、肩を優しく叩いた
「あ、お兄ちゃん…」
リリーは後ろに立つ少年に気がつくと買い物籠の中を覗き見た
「買い物終わったみたいだね!早く帰ろ?」
買い物が終わった事を確認するとレジの方へ走り出そうとするが少年が手を掴んで引き留める
「?…お兄ちゃん?」
「リリー。何が欲しいんだい?」
少年はリリーがじっと眺めていたぬいぐるみコーナーを見渡しながら優しく微笑むと、しゃがみ込んで目線を合わせながら訊く
「え!?い、いらないよ!ただちょっと見てただけだもん!」
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