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「あ、店内で走ったら迷惑だから早歩きで行こう」
「わかったー!」
少年の呟きにリリーは返事をし、二人で急ぎ気味に歩き出した
―――
お菓子コーナーに着き、リリーに適当なお菓子を選ばせた後、お会計をして外に出る
辺りは夕焼けで綺麗赤く染め上げられていた
リリーは買ってもらったぬいぐるみを抱き締めて少年の前を歩いている
「(これは早く帰らないとまずいか…)」
「早く帰ろお兄ちゃん!」
少年が空を見上げそう思っているとリリーが少年を急かし、走り出す
少年も少し遅れて走り出し、リリーの横に並ぶ
「リリー。ぬいぐるみ何か抱き締めながら走ったら足元が見えなくて転ぶ「キャァ!」…あらら…」
リリーは足元の小石に躓いて思い切り転んだ
「ぅ…ヒック…痛いよぉ…」
リリーの両膝には擦り傷が出来ていて、肘からも少し血が出ている
少年は小さく溜め息を吐くとリリーの肘に手を当てる
「【ヒール】」
少年の手から明るい緑色の光が溢れ出し、リリーの肘の傷を包み込む
数秒後、少年が手を退けると肘の傷はなくなっており、健康的な白い肌が露わになった
「わぁ…お兄ちゃん凄い!」
リリーは傷があった場所をペタペタと触りながら驚いたように言う
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