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―目を見ろ
あの男の言葉が蘇る。
一人だけ仮面を被った少年。
その仮面の目は本来の形状とは異なり、丸い目ではなく、鋭く尖った目つきだ。
これまで見てきた仮面の中では異質だった。
「まさか・・・!?」
こんな子供が大量殺人を企てているのか。
するとリーダー格である子が仮面の子を除き、子供達を召集した。
リーダー格の子は仮面の子に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で何か話始めた。
「・・・つ、またついてきたよ。
マジキモい」
私はこの事実に傷ついた。
こんなことを無くすために私は保育園で指導してるのに、一向にイジメは減らない。
ましてや心を閉ざした少年が大事件を起こそうとしているとは・・・
私は仮面の子を観察してみた。
彼の仮面は最初は悲しみの形状へと姿を変えかけたが、突然憎悪の形状へと変わった。
それも今まで見てきた中で最も邪悪な形だった。
仮面の縁からは木の枝のような角が数本も生え、色は赤と黒を混ぜたような不気味な色に。
そして、鋭い目からは今まで以上の怪しい光が出ていた。
(まずい・・・!)
この精神状態は異常だ。
この子は本当に大量殺人を起こすかもしれない。
私は咄嗟に行動を起こした。
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